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その昔、日本の人々は、里から見える山や里の境を彩る白い桜の開花状況を見て、秋の収穫を占った。
桜の花が散り始めると田植えを始め、同時に豊作を祈った。
桜は花というよりお告げであり、山から降りてきた農耕の神様の前触れの役割を果たしている。
サクラの「サ」は「早苗」「若い女性の田植え」を意味し、転じて「穀霊」「田の神」を意味する。
また、「蔵」は「稲の神が宿る場所」を意味し、日本人の生活の中に桜がいかに浸透しているかを如実に物語っている。 桜は「息吹」、生命の象徴のような気さえする。
現在でも桜が散る時期に行われる地方もある「鎮花祭」は、この時期に疫病が流行することから、疫病神を鎮めるために行われる。
日本人が古来より桜に抱いてきた願いや想いを表現してみました。 同時に、パンデミック(世界的大流行)の真っ只中にある今、「鎮花祭」の意味を作品に込めました。
桜の優雅で静謐な自然と、そこに宿る日本古来の穀物魂の存在を感じていただければ幸いです。
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